AI画像認識によるコイルバンド自動検出

ibaVisionを活用したスマートな品質確認ソリューション

アルミニウムコイルの製造工程では、コイルを固定するためのバンド(ストラップ)が確実に装着されていることが、安全な搬送や保管のために不可欠です。しかし、バンドの締結漏れや本数不足は重大な安全リスクにつながる可能性があり、生産量の多いラインでは目視確認だけではヒューマンエラーを完全に防ぐことが困難でした。

本プロジェクトでは、既存のカメラ設備を活用しながら、コイル本数とストラップ本数を自動的に検出するシステムを構築しました。また、検出結果を既存のプロセスデータ環境へシームレスに統合し、オペレータへリアルタイムで有益な情報を提供することも目的としていました。

AI画像認識による高精度な検出

実際の製造現場では、コイルごとにサイズが異なり、表面状態も光沢のあるものからマットなものまでさまざまです。さらに、反射や照明条件の変化により、従来の画像処理手法では安定した検出が困難でした。また、固定カメラによる撮影環境にも制約がありました。

そこで本プロジェクトでは、AI画像認識技術(YOLOv8) を採用しました。コイルおよびストラップの画像を学習させることで、多様な条件下でも高い認識精度を実現しています。また、学習用画像を追加することで継続的な精度向上が可能なため、将来的な設備変更や他ラインへの展開にも柔軟に対応できます。

学習用データセットは、コイルおよびストラップ画像に対してアノテーションを行い作成しました。さらに、明るさやコントラスト、鮮明度の変更に加え、ぼかしやノイズを加えるデータ拡張を実施することで、実環境に近い条件で学習を行いました。

学習済みモデルはPythonインタフェースを介してibaVisionへ統合され、お客様の既存仮想マシン環境上で動作しています。専用GPUを必要とせず、既存インフラを活用した導入が可能です。

ibaシステムとのシームレスな連携

検出された各コイルについては、元画像とAIによる検出結果画像をibaCaptureへ保存します。また、コイル本数およびストラップ本数はibaPDAへ記録され、品質管理や工程分析に活用されます。

これにより、画像情報とプロセスデータを統合した分析環境を構築し、現場の可視化と品質向上を支援します。

導入効果

  • コイルおよびストラップの自動検出による確認作業の効率化
  • 反射や照明変動などの厳しい条件下でも安定した認識性能を実現
  • iba環境とのシームレスな統合による高度なプロセス分析
  • 学習データ追加による継続的な精度向上
  • 他ラインや他設備への展開が容易
  • GPU不要で既存インフラを活用した導入が可能

まとめ

本事例では、AI画像認識技術(YOLOv8)とibaVisionを組み合わせることで、コイルおよびストラップの自動検出を実現しました。さらに、ibaPDAによるデータ記録とibaCaptureによる画像保存を組み合わせることで、品質管理と工程分析のための統合プラットフォームを構築しています。

AIモデルを活用した画像認識と、ibaシステムのデータ収集・記録機能を組み合わせることで、複雑な設備追加や高度なAI専門知識を必要とせず、製造現場の可視化と信頼性向上を実現しました。

今回のソリューションは、既存設備を有効活用しながら品質管理の高度化と工程の見える化を実現する、実践的なAI活用事例となっています。

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