ドイツのLech-Stahl Veredelung（LSV）社は、ibaシステムを導入し、データ取得から分析・評価までを一元管理できるデジタルソリューションを構築しました。これにより、製鋼工程の効率化と品質管理の高度化を実現しています。

背景と課題

鋼材の加熱や表面処理は、再現性やトレーサビリティ、信頼できる記録が求められる、非常に繊細で複雑な工程です。
LSV社では、従来のデータ取得システムが老朽化し、以下のような課題を抱えていました。

• ロガーPCの老朽化やデータ伝送の不安定化

• 文脈のない生データや整理されていないCSVファイル

• 問題発生時の原因分析や改善策の立案に時間がかかる

こうした課題を解決するため、LSV社は「安定した集中型データアーキテクチャ」の構築を目指しました。
プログラミングの知識を必要とせず、信頼性の高いデータ取得・可視化・分析を可能にすることで、停止時間の可視化や長期的なデータ活用を実現することが目的でした。

導入したソリューション

LSV社はibaシステムを活用し、製造現場のデータをリアルタイムで取得・分析できる環境を整備しました。

• ibaPDA がS7コントローラなどからデータを継続的に取得し、ibaHD-Server に長期保存。

• ibaDaVIS によって、Webブラウザ上でリアルタイム可視化を実現。

• ibaAnalyzer により、履歴データを含めた柔軟な分析が可能。

• ibaDatCoordinator を利用して、定期またはイベント発生時に自動レポートを作成・送信。

これにより、工程全体のデータを「見える化」し、迅速な分析と改善サイクルの実現につながりました。

導入効果

テスト導入では、さまざまな製品や材質の生産データを分析し、停止時間の要因を特定。
その結果、具体的な改善策を打ち出すことができ、設備稼働率と生産効率の向上につながりました。

主な効果：

• 散在していたCSVデータを統合し、構造化されたデータ基盤を確立

• プロセスデータをリアルタイムで可視化し、履歴データとしても分析可能に

• データに基づく的確な意思決定をサポート

• 停止時間を体系的に記録し、効率的な改善を実現

「ibaシステムは、当社の厳しいプロセスに求められる堅牢で信頼性の高いデータ取得を実現してくれます。
これにより、データに基づいた意思決定が可能となり、生産の持続的な改善につながっています。」
— モハメド・ブスナーネ氏（Mohamed Bousnane）　プロジェクトエンジニア／LSV社